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【見解】2009/09/09
『2010年度文部科学省概算要求に対する見解』
2009年 9月 9日 全日本教職員組合 中央執行委員会

 2010年度政府予算に対する概算要求は、8月31日に締め切られ、一般会計が92兆1300億円(09年度当初予算比4・0%増)、そのうち一般歳出は52兆円を超えています。新しい政権のもと、この概算要求自体「白紙撤回」ともいわれていますが、現段階として全教としての見解を表明します。


 文部科学省の概算要求は、一般会計で6兆461億円、09年度当初予算比で14・5%(7644億円)増となっています。多くの項目で増額となっていますが、私たちの運動と世論の高まりで、教育費の保護者負担の軽減に厚く配分されています。
 
 初等中等教育局関係は767億円の増額で、その特徴は、第1に、保護者の教育費負担の軽減に729億円(前年度より519億円増)となっています。その内容は、①新規に高校奨学金事業などの充実・改善に455億円計上しています。これは、「経済的理由により修学困難な世帯(収入350万円以下)に対して、入学料、修学旅行費、教科書費、制服費など、高校修学に必要不可欠な費用の負担を軽減して、従来の奨学金に加えて必要な資金を交付」するものです。さらに、②幼稚園就園奨励費補助に255億円、③私立高校などにおける授業料減免補助の充実に12億円なども含まれています。これはまさにこの間の貧困と格差拡大から子どもたちを守る私たちの運動の成果です。また財政投融資計画として国立大学の授業料等免除枠の拡大、奨学金事業の充実も盛り込んでいることは重要です。
 
 第2に、教職員定数では、国の責任による30人学級の実現や教職員の長時間過密労働の解消など父母・国民や教職員の切実な願いには背を向けるものとなっていることです。今概算要求では、主幹教諭によるマネジメントの強化に2500人、教員の事務負担の軽減に351人、特別支援教育の充実に1966人、外国人児童生徒への日本語指導の充実に448人、食教育の充実に235人、計5500人の教職員定数の改善を図るものの、行革推進法の枠内での増員にとどまり、現場の要求からほど遠いものとなっています。さらに、理数教育の充実、教育課程への対応として、退職教員など外部人材活用事業として3万2900人(週12時間換算)の拡充としていますが、学校現場に非常勤職員を導入するのではなく正規教職員を配置すべきです。
 
 第3に、全国的に問題視されている全国一斉学力テスト関連で58億円、教員免許更新制関連で12億円など、予算を通して改悪教育基本法の具体化を、学校現場に押しつけるものとなっています。さらに、「新指導要領の円滑な実施」として、理科教育や外国語教育の充実に71億円、道徳教育の総合的推進18億円、中学校武道の必修化に向けた条件整備に90億円も盛り込まれています。
 
 第4に、「メリハリある教員給与体系の推進」として、管理職手当は増額し「ピラミッド」型の管理体制をいっそう強化するものとなっていることです。
 
 第5に、「スクール・ニューディール構想」などの推進として、学校耐震化、特別支援学校の教室不足の解消などに昨年の2・6倍の2775億円を盛り込み、耐震化の対象ではIs値 (※1) 0・5以上の施設も含めるとしたことは評価できるものです。これを地方で確実に実施させることが重要です。その一方、学校のICT環境 (※2) の整備として、「こんなもの必要なのか」と批判のある電子黒板などの整備に138億円を計上していますが、現場で何が緊急に必要なものなのか検討が必要です。
 
 今、教育財政に求められているのは、①誰もがお金の心配なく学べるように、教育費の軽減・無償化をすすめること、②学習内容を押しつけるのではなく、学校現場の裁量を拡大し、学校の教育活動を支えるための教材費や図書費の国庫負担の復活など条件整備を進めること、③国の責任による30人学級の実現、教職員の長時間過密労働の解消、これらのための教職員定数増など、国民の立場にたった教育をすすめるうえで重要な課題を推進することです。
 
 全教は、教育政策の根本的転換を新しい政権に求めつつ、教育全国署名をはじめ諸要求実現の運動に全国の教職員・父母・地域住民の皆さんとともに全力を尽くして奮闘する決意を表明するものです。
 
 
※1 Is値(構造耐震指標)…建物の耐震性を判断するための数値(構造耐震指標)で、国土交通省は安全の目安としてIs値を0.6以上としてる。
※2 ICT(Information and Communication Technology)…IT(情報技術)に「通信」を明示したICT(情報通信技術)だが、ITとほぼ同義に用いられている。

《関連項目》

■全教のとりくみ
【交渉】2012/12/03 文科省・総務省に学校司書の配置など学校図書館の充実を要求
【要請】2012/03/28 文科省に「武道必修化」を押しつけないことを求め、申し入れ
【集会】2012/03/14 全教が12春闘要求書にもとづく文科省交渉
【交渉】2012/2/27 学校図書館職員対策部が学校司書の配置拡大で文部科学省と交渉(2/27) 学校司書配置の地方財政措置は全自治体が対象
【大会】2012/02/18~19 父母・国民とともに憲法に立脚した民主教育を 全教第29回定期大会を開催

■声明・見解・談話
【見解】2012/09/13 2013年度政府予算に対する文部科学省概算要求に対する見解を発表
【声明】2012/01/12 「2012年度文部科学省予算案の閣議決定にあたって」(声明)を発表
【談話】2011/12/13 「第179回臨時国会の閉幕にあたって」全教書記長が談話
【談話】2011/05/02 「地域主権改革」関連3法案の成立に対する書記長談話
【声明】2011/01/07 全教中央執行委員会声明「2011年度文部科学省予算案の閣議決定にあたって」を発表

■専門部のとりくみ
【養護教員部】2012/06/14 2012年度養護教諭の定数増を求める要求署名を提起!
【学校図書館職員対策部】2011/01/17 読書のつどいin岡山に全国から187人 図書館に「専任・専門・正規の司書の配置を」と、実践と運動を交流

■署名・ビラ・資料
【署名】2010/07/15 教員免許更新制の即時廃止を!―署名を大きく広げましょう
【署名】2010/02/26 ▼ご協力ありがとうございました。子どもたちにゆきとどいた教育を保障する2008年度予算を求める署名は文科省に提出しました。

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「学ぶって楽しい」を広げるための条件整備を……糀谷陽子(全日本教職員組合中央執行委員)
 
 
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