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全教のとりくみ
【集会】2009/01/16
ILO・ユネスコ来日調査『勧告』の報告集会を開催!
画期的な勧告を大いに広げよう! 
 
 全教は1月16日、昨年(08年)4月のCEART来日調査を踏まえた画期的なILO・ユネスコ勧告(第4次CEART勧告)が同年12月に出されたことを受け、「民主的な教育のために 教職員に権利と自由を――ILO・ユネスコ来日調査『勧告』の報告集会」を開催しました。
 
>>勧告全文 はコチラ!


私たちの期待に応えたCEART来日調査を踏まえた画期的な勧告! 
 
 全教が02年、文科省の「指導力不足教員」政策および新しい教員評価制度(新勤評)に関して、ILO・ユネスコ「教員の地位勧告」共同専門家委員会(CEART)に申し立てを行い、03年9月、06年1月、07年5月の3次にわたるCEART勧告を経て、08年4月に実現した日本へのCEART調査団派遣――この来日調査から勧告に至る経過について、新堰義昭全教副委員長が報告。
 新堰副委員長は、事実調査のための「CEART調査団来日はこれまでに前例のないもの」であり、調査の実現と勧告は画期的な意味を持つと強調しました。
 また調査団報告書は、日教組の主張と全教の主張が全体として同じ方向であったことを示しているとし、「今回の勧告は日本の教職員組合運動の共有の財産」であると冒頭指摘しました。
 
 さらに内容について、「今回の勧告は、これまでの3次にわたる勧告内容を変更しなかっただけでなく、より踏み込んだ改善方向を示し、『教員の地位勧告』の遵守をこれまで以上に力強く、文科省・教育委員会に勧告した」「4月の実情調査で入手した情報をもとに具体的に詳細な改善内容を勧告したものであり、私たちの期待に応える画期的な内容だ」と高く評価し、以下のように申し立てに関する勧告の一部を引用しました。
 
○ 「…『指導力不足』教員に関する教員評価制度への非好意的(poor)な見方を受け止め、措置を講じるべきであると勧告する」(33項)
 
○ 「…給与と関係する教員評価制度を根本的に再検討すべきであると勧告する…」(37項)
 
 また、勧告は上記33項を「the Government, both at ministry level and prefecture boards」(文科省・地方教育委員会)に対して求めていることを指摘し、「勧告の対象が『日本政府・文科省に対するものであり、都道府県教委などに対するものではない』とする教育委員会等の見方を明確に斥けている」と述べました。
 
 さらに、改善がすすまない原因として「…教員団体の意見を踏まえて、自分たちが教員評価の政策を変更すべきだという考えはほとんどない…」(26項)、「教育当局と教員団体との協議や意見交換のための確立された機構を発見しなかった。確立された協議機構が一般に欠けていることは、当事者間の『著しい誤解』をもたらし、『しばしば正反対の意見』を持っていた…」(29項)など、「交渉と協議」に問題があると勧告が指摘し、「…政府が教育団体との間で問題の性質に応じて行われるべき協議や交渉に対する方策を、1966年勧告の規定に即して再考するべきであると勧告する…」(40項)、「国とすべての教育委員会に対して、国と地方の教員を代表するすべての教員団体との交渉と協議に関して、66年勧告の規定がさらに全面的に適用されるよう、該当する法規と運用を見直し、必要に応じて改めるよう要請すること」(43項の4)など、「文科省・教育委員会に対し、教員評価制度などを『管理運営事項』扱いとせず(42項)、法改正を含め(43項)教職員組合政策の抜本的な転換=敵視政策を止めることを求めている」と指摘。
 
 「このことの実質的影響は、強調の基礎となる協議と交渉と言う基本的原則の適用を損ない、日本の有意味性・レリバンス(relevance)と質の向上とを図る教育改革が成功する可能性を損なうことである」(32項)と、勧告は対話なくして質の高い教育改革は成功しないことを指摘していることを示し、「直接接触」(文科省、全教・日教組・全日教連はじめ、東京都、大阪府、香川県の教育委員会と当該の組合、独立した専門家からの事情聴取)で得た証拠資料(evidence)を基礎に、「交渉と協議」の問題への踏み込んだ見直し改善の方向を今回の勧告が示していることを強調しました。
 
 一方、この勧告に対して日本政府は、「『日本の状況、法律及び政府の講じてきた施策に関する理解が不十分であることに落胆している。中間報告の記述と勧告の一部を受け入れることは困難である』とILO理事会(LILS)で意見を述べ、遵守しない態度を表明している」ことを紹介。「しかし、文科省が『直接事情を聴取していただきたい』としたことから来日調査が実現しているのであり、いまさら『そんなの関係ない』とは国際信義上も言えない」と日本政府・文科省の態度を強く批判。「『教員の地位勧告』及びCEART勧告は、『強い説得的効果』と『倫理的な権威』を持っており、各国で遵守されることは当然とされるべきもの」と強調しました。
 
 最後に新堰副委員長は、CRART勧告の意義を学校現場、教職員の中に広げるとともに、公務員の労働基本権の回復へ向けたたたかいへCEART勧告を活用したとりくみを強化する必要があると述べました。
 

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教育を良くし、教員の地位改善するために大いに活かしていきたい!

――米浦正全教委員長
 
 開会にあたってあいさつした米浦正全教委員長は、「今回の勧告は、政府・文科省と地方教育委員会に対して『教員の地位勧告』の遵守を強く求めるものとなっている。全教が申し立てた『指導力不足教員』政策および新しい教員評価制度について、さらに『交渉と協議』について、いずれも私たちの期待に応えた画期的な内容になっており、私たちの今後のとりくみを大きく励ますものとなっている」と力を込めました。その上で、「『教員の地位勧告』そのもの、そしてこの間の勧告、そして今回の勧告を大いに学び、普及し、教育を良くしていくために、そしてそのことと表裏一体の関係にある教員の地位改善に向けて今後のとりくみに大いに活かしていきたい」と述べました。
 
 
ILOの意思を私たちは強く受け止めておかなければならない!

――中島滋・ILO理事
 
 中島滋・ILO理事は、「私も今回の勧告を重く受け止めて、この実現のために努力していきたい」と冒頭表明。その上で「11月に開催されたILO理事会で日本政府は不満を表明しており、みなさんと私たちがきちんと努力しないと勧告が実現しないことになりかねない」と注意を喚起しました。
 
 今回の調査団にILO国際労働基準局総責任者の特別補佐であるオーツ氏が加わったことを紹介。全労連などが行っている「結社の自由委員会に対する公務員の労働基本権制約に関する提訴の動向を見据え、公務員制度改革とこのCEART調査――教職員の交渉権の問題等は不可分の課題であるとの問題意識のもとにオーツ氏が加わったのではないか」との見方を示し、「賃金や労働条件、勤務条件に関しては管理運営事項として交渉の対象から外すということは許されない、という国際的な基準をきちんとこの報告書の中でも指摘し、強調するという役割も主に負ったのはオーツ氏であり、彼が加わった意味はそこにあった」と指摘、「ILO側の意思を私たちは強く受け止めておかなければならない」と強調しました。
 
 「今後この勧告の内容を公務員制度改革の中で、どのように実践していくのかというのは、ナショナルセンターの違いとか、組合の違いを超えて日本の労働組合運動全体に課せられた課題であり、その実現のためにともに努力をし合わなければならない。私もそうした大きな活動の中に加わって、みなさんとともにその運動をすすめていきたい」と述べ、「ディーセントワーク」(働きがいのある人間的な仕事)実現へ向けた運動をいっそう重視してとりくむ考えを示しました。
 
 
日本の教育の状況がどのようになっていくのか注目したい!

――村山裕・日弁連教育法制改正問題対策委員会事務局長
 
 村山裕・日弁連教育法制問題対策委員会事務局長は、CEARTに対して「指導力不足教員」問題及び教育評価制度問題についての日弁連としての意見を情報提供していたことについて紹介。「06年、教育基本法『改正』の問題があり、日弁連としても深刻な問題だと懸念を表明し、みなさんと一緒に運動をしてきた。成立した『改正』教育基本法によって、憲法の枠組みの中で保障されている教育をめぐる基本的人権、あるいは思想・良心の自由であるとか、学習権であるとか、そういうものが脅かされる事態が起こらないように日弁連としても注意しなければいけないとの談話を発表した」とする日弁連の姿勢と合わせて、「日弁連は、憲法の問題、人権の問題に関心を持っているだけでなく、国際人権法の観点からも重視している。日弁連には国際人権委員会や国際人権の調査室があり、その中でレポートを出すなど人権規約や子どもの権利条約がきちんと国内でも実施されていくようにとの観点での活動を行ってきた」と述べました。
 
 「今回の勧告の中には、66年の勧告についても前提として重視すべきだと書かれているようだが、そういう観点も含めて、今回の勧告を66年勧告とも照らして日本の教育の状況がどのようになっていくのか。現在の憲法の状況と照らして由々しい状況に展開していくことはないのかということについて、日弁連としても注目しながら必要に応じて意見を述べていこうと、とりくみをすすめている」と結びました。
 
 
〝光り輝く宝〟〝文科省や全教、教職員への影響だけにとどまらい〟

――各界から発言
 
 また各界からの発言では、「公務員制度改革が動きを見せている。今回の勧告は画期的な意味を持つ、日本の中で『光り輝く宝』だ」(全労連公務部会)、「国際的な発信としての勧告に強い関心を持っている。勧告は66年の『教員の地位勧告』後の考え方の深まりを反映しているものだ」(民主教育研究所)、「当局との交渉協議の機構を構築せよと迫っている。教員の問題だけにとどめず学習運動を強める必要がある」(全教常任弁護団)、「07年6月に国公法が改正され、評価制度が始まる。勧告を活用していきたい」(国公労連)、「勧告は文科省や全教、教職員への影響だけにとどまらい。政府全体の対応を迫るものだ」(自治労連)、「国労のILOへのかかわりは深い。勧告の実現に向けとりくんいる」(国労)、「ディーセントワークを実現するために教育分野の基準が明らかになった。画期的な内容だ」(郵産労)などCEART勧告を積極的に意義とそれを受け止め、活用していくことの重要性が各界から強調されました。
 
 集会のまとめで発言した東森英男全教書記長は、実現した来日調査とCEART勧告に至ったのは、「全教弁護団と研究者のみなさんの並々ならぬ尽力のおかげだ」と謝意を表明。この勧告の画期的な意義を広く教職員だけでなく、労働者・国民に広く知らせ、「子どもたちの利益のために勧告を活かし実現するために旗を高くかかげていく」との決意を述べました。

《関連項目》

■全教のとりくみ
【集会】2012/03/14 全教が12春闘要求書にもとづく文科省交渉
【大会】2012/02/18~19 父母・国民とともに憲法に立脚した民主教育を 全教第29回定期大会を開催
【集会】2012/01/14,15 2012春闘で国民的な共同のたたかいをすすめよう ~全教が生活権利討論集会を開催~
【会議】2011/10/14 全教第43回中央委員会開催
【行動】2010/11/07~12 公務員の労働基本権に関する全労連オーストラリア調査に参加

■声明・見解・談話
【談話】2011/06/03 国家公務員制度改革関連四法案の閣議決定にあたって談話を発表
【意見】2010/04/21 北海道における「教職員の服務規律等の実態に関する調査」について全教常任弁護団が意見書を発表
【声明】2010/02/12 全教声明「CEART第10回会議の到達点と勧告について」を公表
【見解】2009/03/03 『CEART勧告をめぐるとりくみの到達点について~ILO・ユネスコへの訪問を踏まえて~』
【声明】2008/12/17 『実情調査を踏まえたCEART勧告について』

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