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全教のとりくみ
【集会】2008/12/12
第20回 ゆきとどいた教育をすすめる全国署名集約集会を開催!【基調報告】
「第20回 ゆきとどいた教育をすすめる全国署名集約集会」基調報告
 

2008年12月12日
 
1.20年間の歴史に立つ運動の発展 
 
 1989年9月25日、全日本教職員組合の前身の教職員組合全国連絡会、日高教、全国私教連の主催で「ゆきとどいた教育をすすめる父母と教職員の中央集会」が開催され、それまでの私学助成拡充を求める運動と35人以下学級実現などを求める運動とが合流し、子どもたちにゆきとどいた教育条件を求める運動として、3000万署名運動がスタートしました。

 初年度から2400万筆に迫る署名数を集約するなど日本の中で最大の署名として国民的な運動に発展し、2007年度からは「ゆきとどいた教育を求める全国署名(教育全国署名)」と改称し、昨年度までの19年間で3億6800万筆を超える署名を集約してきました。
 この運動は、第1には、どの子にもゆきとどいた教育条件を求めるとりくみとして、小中学校の40人学級即時完結、高校の40~35人以下学級の実現、私学助成拡充、父母負担軽減などを求める運動としてはじまりました。
 私たちのこの運動は、全国の父母や教職員を励まし、各地での教育条件改善を求める父母・地域住民・教職員の願いと結びついて、この19年間で、国による小中高の40人学級を実現し、さらには、文部科学省の抵抗をはね返して自治体独自の施策とはいえ、35人学級や30人学級などの少人数学級を、東京都を除くすべての道府県で実施させ、私学助成の増額を勝ちとってきました。
 
 第2には、1989年11月19日の「全国縦断自動車パレード集約・3000万署名推進、ゆきとどいた教育をすすめる父母と教職員の11・19中央集会」で、「軍国主義・国家主義と差別・選別の教育を進める新学習指導要領や臨教審路線に対し、署名運動を成功させ、国民に教育をとりもどす大運動の幕開けを」(碓田登全国私教連委員長)とあいさつで述べられたように、教育を国民の手にとりもどす運動としても位置づけてとりくまれてきました。
 それは、憲法第26条の「等しく教育を受ける権利」、1947年に制定された教育基本法第10条の「教育は不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接責任を負っておこなわれるべきものである」などを実現するとりくみという意義を持つものでもありました。
 現に、この運動は、父母や地域住民、教職員が、全国津々浦々で手を取り合い、「なぜ少人数学級や私学助成が必要なのか」などについて、学習や懇談を重ねすすめられてきました。それは、「少人数学級は、教師が楽をするため」「私学助成は憲法違反」「受益者が負担するのは当たり前」などの攻撃とのたたかいでもありました。
 
 同時に、学習や懇談の中で、父母と地域住民、教職員が、学校づくりや地域の教育について語り合い、教育についての合意形成をはかるとりくみ、父母・国民が教育の主体者としての力を蓄え、発揮するとりくみとしても発展してきました。
 こうした中で、PTAや住民団体との共同のとりくみを追求し、学習を重ねながら署名運動をすすめ、学校の施設の改善や少人数学級についての県議会での決議を実現するなど、PTAや学童保育など教育関連団体へのはたらきかけも広がっています。
 また、こうした共同が大きな力を発揮するとともに、教育基本法や学校教育法などの改悪に反対するとりくみや学校統廃合の押しつけに反対するとりくみにつながるという相乗的な力を発揮してきました。
 
 もう一つ確認しておきたいことは、子どもたち、とりわけ、私学助成増額や定時制高校などの統廃合反対、学費の軽減などを訴える高校生たちの自主的なとりくみの中で、子どもたち自身が、学校と教育の主体者として成長してきているということです。それは、大阪で私学助成の削減反対や授業料の引き下げなどを求める高校生に対する「大人になってからそういうことをいいなさい」「嫌なら日本から出て行きなさい」という橋下知事の暴言に対して、「私たちは、有権者ではないが、主権者だ」との高校生の主張にも表されています。

 
2.貧困と格差の広がりの中で 
 
 「構造改革」が、子どもと教育に大きな困難をもたらしており、貧困と格差が広がる中で、子どもたちにゆきとどいた教育条件を求める運動は、いっそう重要となっています。
 第1に、「構造改革」が、子どもたちが育つ基盤である家庭に経済的困難をもたらし、教育の機会均等を脅かしていることです。
 派遣などの非正規労働者が、働くものの3分の1を超え、青年や女性では半数以上が非正規労働者となっています。こうした結果、国税庁の発表によれば、年収200万円以下の給与所得者は、2007年度で1032万人と前年よりさらに増加し、とりわけ、女性では100万円以上200万円以下が476万人(構成比27.1%)と最も多くなっています。こうした中、2008年10月のOECDの報告では、日本の一人親家庭の貧困率は59%で、OECD諸国平均の約2倍となっています。さらに、日本政策金融公庫の調査では、年収200万円以上400万円未満の家庭では、教育費の負担が年収の55.6%にも達しています。
 こうした結果、給食費を払っていないからと給食を食べない子、小学校は私服だったために登校しなかったが、中学校になって制服になると毎日学校に来ている子、授業料や修学旅行代をアルバイトなどでまかなっている子、そのアルバイト代も生活費に消えてしまい授業料や修学旅行代を払えない子、いま、日本全国で、こうした子どもたちが急増しています。
 全国私教連の学費滞納調査でも、2月に父親が失業したある高校生が、これ以上母親に過重な負担をかけられないから高校をやめて働きたいと申し出てきたので、授業料の減免やアルバイトで続けられないかと話をしたが、意思が変わらず退学した、などの実態が報告されています。
 今年9月の金融危機に端を発した経済危機の中で、〝派遣切り〟や〝内定切り〟が急増しており、子どもたちへのさらなる影響の広がりも懸念されます。子どもたちの学ぶ権利を保障するため、国などによる緊急の対策が求められています。
 
 第2に、「構造改革」は、国と地方の教育予算を削減し、教育条件を悪化させてきていることです。
 それは、国が教育予算を削減してきていることです。文部科学省予算は、義務教育費の国庫負担金を図書費や教材費、教職員の人件費など次々と削減し、2001年度からの6年間で1兆3000億円も削減されています。
 次に、三位一体改革のもとで、地方交付税が削減されるなど、地方自治体の予算が削減され、授業料や給食費の値上げや私学助成金の削減など、父母負担が増加するとともに、学校の統廃合や教材費・図書費の削減など子どもたちの学ぶ条件が切り捨てられてきていることです。
 さらには、学校選択制や学校統廃合、通学区の撤廃や拡大など、子どもたちを競争でおいたて、格差づくりをすすめる教育が押しつけられてきたことです。
 しかし、私たちの願いに反する「構造改革」は、国民との矛盾を広げ、東京都の江東区や群馬県の前橋市での学校選択制の見直しや廃止、和歌山県での高校入試の二段階選抜制度の廃止など、その破綻が始まってきました。
 
 こうした情勢の下、今年度は、地方交付税の増額や年収500万円以下の家庭の高校・大学の授業料を無償とする制度の実現などを請願項目とし、とりくむことを提起してきました。
 これらの提起は、各地で積極的に受け止められ、署名運動を広げる力ともなりました。

 
3.どの子もお金の心配なく学べる日本めざして 
 
 国の責任で30人学級を求めるとりくみは、46道府県で少人数学級を実現し、今年度も12の県・政令市で制度の改善を実現してきました。また、唯一残っている東京でも、大きな共同のとりくみが広がっています。
 私学助成増額を求めるとりくみは、高校生たちの自主的なとりくみが大きく広がり、父母や教職員を大きく励まし、県や国をも動かす力となっています。大学生や高校生が学費や授業料の軽減、無償化、私学助成の増額などを求めて、自主的なとりくみを広げ、主体者として成長してきています。
 こうした中で、東京大学が年収400万円以下の家庭の学生への授業料免除を決定したことをはじめ、学費や授業料の無償化への展望が生まれています。
 「子どもの貧困」「子ども格差」「教育格差」「格差世襲」「子どもの最貧国・日本」など、子どもの貧困をテーマとする書籍や雑誌が次々と発行され、マスコミでもとりあげられるなど、国民の重大な関心事となっています。どの子もお金の心配なく学べる社会をめざして、いっそう署名を広げ、世論を動かし、国を動かしていこうではありませんか。

子どもの権利・教育・文化 子ども全国センター 民主教育研究所 九条の会 教育子育て 九条の会 憲法改悪反対共同センター
 
3000万署名はこちら
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