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全教のとりくみ
【集会】2008/11/29
父母・地域との共同ひろげようと11・29地域教育運動交流集会を開催!【講演】③/3
1.いのちのつながり――平和あっての子育て・教育 
 
(1)熊本発「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」が問いかけるもの 
(2)秋葉原事件――何が人間をこわすのか、育てるのか 
(3)「地球人」チャーリーとイラク帰還米兵アッシュから学んだこと 
(4)おじいちゃんになれなかった若者『山下清馬』(特攻死21歳)
 
2.子どもの中の力と希望

(1)ストレス社会と子どもたち 
(2)子どもの人権をめぐる身近な問題から 
(3)「運命」を超える子どもの可能性 
(4)フィンランドの子どもたちの「学力」とモラル――問われる社会のあり方、大人の生き方

3.足元から(やさしさ)をはぐくむ 
 
 最後に「足元」。
 地域から子ども、子育ての運動をしていくということが、なかなか地域が破壊され、見えなくもなっています。
 千葉県柏市で、「火事だ」との嘘の通報を10回して捕まった人がいます。なぜかというと消防車はもちろん来ますが、「地域の人がいっぱい来るからだ」と言うんです。さびしかったと言うんです。やっていることはいけないことなんだけれども。なんかやっぱりさびしさを抱えながら、大人も子どもも生きている。
 うちの近所でもありました。隣のおばあちゃんが火をかけたままディサービスに行っちゃって小火になった。消防車が来て、地域の人がいっぱい集まる。小火が起きない限り地域の顔が見えない。こういう社会は怖いなと思ったわけです。

 
(1)家族の問い直しと新しい<縁> 
 
 「赤ちゃんポスト」のことで言いますと、私は実は赤ん坊の頃、体が弱くていっぺん捨てられた経験があるんです。と言っても、本当に捨てられたのではない。体が弱く、アトピーでしょうか。病院に行ったけれど薬効がなく、呪いや占いもだめ、かくなる上はと私の母が、夜明けに抱っこして、三つ辻で待って、通りかかった3番目の人に〝くれてやる〟――いったん親子の縁を切るわけです。親子の縁がミスマッチだと考えてみるわけなんです。〝こんなにがんばっても埒があかないのは、やっぱり、縁が薄いからかもしれない〟といったん第3者――近所の人ですけれども――に育ててもらう、という恩恵によくしたらしいんです。知らぬ間に、一時期「マサヒコ」から「ヒロシ」に替わったらしい。
 かなり残っていますよ。〝仮の親〟という考え方です。これを迷信だとか、古いとか笑うことができるでしょうか。

 
(2)<地域>が支える 
 
 そういう親だけの手に余る子育ての問題をみんなで分かち合い、サポートし合う、ガチガチの血縁主義ではなく、今こそ地域で知り合いの力で支えていくという、そういう地域づくりが求められているし、それは小さいうちだけではありません。
 中学生や高校生、それ以上にも、子どもの不安とか悩みはつきないですよね。結構それがほったらかしにされています。小さいうちはまだ行政も目を向けてくれています。子育てサークルとかあるけれど、中高生以上は、孤立が深まって行くことが多いんですね。
 そういう点でも、もっとずっと先を考えた子育てのネットワークやサポートが必要ではないか、というように考えています。

 
(3)〝吉野流子育て〟の極意 
 
 熊本で会った吉野由美さんは、ホームヘルパーをしながら、2人のお子さんを育てるシングルマザーでした。その後、4人のお子さんがおられる方と再婚され、6人のお母さんになった40代の方です。ものすごく肝がすわっていて、優しくて、賢くて、知恵もある。こういうのを〝ローカルな知〟というか、〝民衆の知〟かなと思うんです。
 話を聞くと熊本弁丸出しで、ゲラゲラ笑って、泣いてという感じです。これも聞きとって本にしたわけです(『子育てにマニュアルなし!――愛と本気の子育てバトル』(かもがわ出版))。4年経ちますが、彼女は月に4~5回、水を得た魚のように講演旅行に出歩いています。
 この間も岡山の母親大会に呼ばれて行きました。岡山でも熊本弁で突っ走っています。結構伝わるんです。東京でやる場合は、私が同時通訳しますから、呼んでください。(笑)
 
 本当に素敵な方です。再婚当初、相手方の娘さんが17歳。当然反発するし、なかなか家に帰ってこない。弁当を用意しても持って行かない、食べない。それでも続ける。すると、「なんでそんなに言うと!あんたは本当のお母さんじゃないきに!」「しょんなか!(仕方ない)お父さんと結婚したけん。しょんなか。だから弁当つくりよる。心配しよる」というわけです。
 仕方がない――そういう一種クールなところから、家族づくり、親子づくりをやっていく、めちゃくちゃ面白い。
 また、学校で中1の息子が白紙答案を出したら、数学の若い教師から、体罰まがいのことを受けるんですね。するとお母さんは、竹刀を持って学校に乗り込むんです――竹刀は心の杖です。自分を励ます意味です。もちろん実力行使はしません。
 だけど、先生に迫っていくんです。「数学の勉強だけ教えればいいのか!こんな小さな息子を、体の大きな先生が教室の後ろまで追いやってなんだ!」と正論でぶつかるんです。そしてその後、その先生の研究授業の参観日にはクラスが違うんだけれど、行くんですね。そういう独特の関係を築いていく、ガチンコですけれど、共同の関係をつくる。
 
 あるいは、相手方の息子さんが、無免許運転をしてしまい近くの交番へ迎えに行くんです――今年の『子ども白書』(子どもを守る会)に書かれています。親の力を〝荒削りだけど親ってこうなんだ〟ということを学ばされます。
 呼ばれておきながら、「若いおまわりさん、あんたは立派だ」と褒めるんです。「私が息子をぶん殴ろうとしたら、『お母さんやめてくれ』と言いよった」とか。すると若い警官が、「実は僕、最近自信がなくて…」とか言い出す。お母さんから薫陶を受ける、そういう話が『子ども白書』に掲載されています。ぜひご覧下さい。
 人間の力、可能性、つながりの中で、周りを変え、自分を変えていってゆたかにしていくという希望が持てる、吉野流の子育ての極意をぜひみなさんに知ってほしい。親と子の関係づくり、学級教師との共同、子どものトラブルの中から、新しい地域をつくるという、そのヒントがそこにあります。

 
(4)気にかけ合う関係を広げる
 
 私の関わっている熊本子育て教育文化交流会は18年になります。事務局長を最初からずっと――辞めるチャンスを逸していまだにやっています。
 しかし、ここにきて困難な時代ですが、20ぐらいのグループと個人のネットワークをやりながら、同時に教育基本法改悪阻止のとりくみを契機に潮目が変わってきた。
 今年なんかも、250人入る会場で椅子が足りなくなるくらい、フィンランドの講演会はいっぱい人が来ました。若い先生方も来ました。学生たちもたくさん来ました。一般の方も、いろんな環境を含めたネットワークが威力を発揮する時代なんですね。普段からつながりと付き合いを大事にして、そういうことが、こういう時に威力を発揮するし、その分、今の社会や政治のあり方、教育に対する不満や批判が――これではいけないんだ日本は!――ということが強いと思う。
 私たちは、こういうことで子育てネットワーク、地域からの親と父母と教師と研究者、市民の共同をこれからもしっかりとやっていきたいと思っています。

 
(5)不安と孤独の子育て(教育)から、安心と共同の子育て(教育)へ 
 
 事務局会議をつきに2回くらいやっているんですが、みんなしゃべりたくてしょうがないんです。「発言するには呼吸した瞬間をねらわないと入れない」と誰かが言いました。それぐらいしゃべります。会議の半分以上を、自己紹介やら近況報告やら――それが大事だと思います。自分を語り、地域を語り、学校を語り、支えられて、また戻って、また集まるという、このことが大事な時代じゃないかなと思っています。
 
 時間をオーバーしました。足りないところは討論の時間でお話したいと思います。ありがとうございました。

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