全日本教職員組合
サイトマップアクセスサイトポリシーお問い合わせ サイズ変更 大 中 小
トップページ 全教のとりくみ  項目 
全教のとりくみ
【交渉】2017/08/03
文科省への概算要求交渉を実施

全教は、83日、文部科学省に対して、2018年度政府予算に対する文部科学省概算要求にかかわる交渉を行いました。交渉には、全教より中村委員長、小畑書記長が参加し、文科省からは伊藤学司初等中等教育局財務課長ら7人が出席しました。








 冒頭に、「えがお署名」8,655筆(累計90,839筆)を追加提出した後、中村委員長より、次の2点について申し入れました。


①今日の教育課題を克服し、子どもたちの学ぶ権利を保障するためには、抜本的な条件整備が求められており、35人学級の実現、教育の無償化、長時間過密労働の解消などは喫緊の課題である。文科省としての決意をこめた予算要求を行うこと。


②教職員の労働条件は、子どもたちにとっての教育条件でもあり、教職員の働き方につい て議論する中教審部会に、職員団体の代表を加えていないことは遺憾である。今からでも、全教も含め教職員団体を参加させること。


17-08-03添付【HP更新】文科省への概算要求交渉(写真①)


 


これを受けて、文科省は、「概算要求の作業真っ最中。シーリングの枠があるが、それを踏まえながら、できる限りいい形で教育予算の増額に向けた要求していきたい。今日いただいた要求踏まえながら、しっかり検討していきたい」と述べた上で、重点要求項目について、以下のように回答しました。


 


【要求】「高校無償化」の所得制限を廃止し、給付制奨学金の拡充などの具体的政策を計画的に実施すること。


【回答】民主党政権時に公立学校の無償化実現し、その後より低所得者に支援する制度の見直しをした。平成26年度から所得制限を導入し、私立高校生徒就学支援金の加算や低所得世帯の高校生等就学支援金制度の見直しを図った。少しずつ充実に向けて対応し、生活保護世帯の給付対象の拡大増額を図っている。誰もが家庭の経済状況に左右されることなく、希望する質の高い教育を受けることができるよう、教育費負担軽減のとりくみを優先順位も考えながらすすめたい。


  大学奨学金拡充について、意欲と能力があるにもかかわらず経済的理由によって就学を断念せざるを得ない者にあと押しをする観点で、初めて返済不要の奨学金制度を創設した。対象者は、住民税非課税世帯とともに、無利子奨学金よりも高い学力や資質基準を課すこととし、2万人を対象とする。新しく創設した制度なので、まずは安定的に運営し定着を図り、その効果を十分に発揮するようにつとめたい。


 


【要求】小・中・高のすべての学年での35人学級を実現させるために、教職員定数改善の措置を講じること。新たな教職員定数改善計画を策定すること。教員の担当授業時数の上限を設定し、授業準備、授業整理の時間を確保することをめざし、小学校20時間、中学校18時間、高校15時間を目標に計画的に改善すること。


【回答】学校現場を取り巻く課題が複雑・困難化していることは承知している。新学習指導要領の実施、学校における働き方改革に向けて、しっかりと運営体制の充実を図ることが重要。定数は、今年度予算と法律の改正によって、通級による指導や少人数指導の加配定数の一部基礎定数化を図り、段階的にその割合を高めながら改善を図っている。小学校専科指導のための加配もしている。学級編制や教職員定数については、中教審の検討も勘案し、データや地方自治体のとりくみも踏まえ、検討をしたうえで対応していく。


 


【要求】自主的研修のように時間計測が困難なものの見合いとしての定率の給与措置を確保したうえで、測定可能な超過勤務に対し労基法37条にもとづく割増の時間外手当を支給できるよう給特法を改正し、必要な予算措置を行うこと。


【回答】これまでも教職調整額のあり方について検討してきたが結論に至っていない。給特法の見直しは、給与の問題にとどまらず、学校の組織運営、勤務時間管理や時間外における給与のあり方等、大きな影響を与える課題なので、全体の中で検討しなければいけない。中教審の検討に先立って4月に公表した教員の勤務実態状況調査の速報値でも、長時間勤務が看過できない深刻な状況にあることを改めて確認した。現場の先生方の声は大変重要な、検討にあたっての考慮すべき点だと思っている。62日に職員団体も含め、関係のすべての団体から考えを聞いた。11名の先生方の生の声も聞きながら、検討をすすめたい。短期でできることとじっくり腰をかまえて検討していく課題の両方あるが、最重要課題という認識でとりくみたい。


17-08-03添付【HP更新】文科省への概算要求交渉(写真②)


 


 回答を受け、全教は、高等学校就学支援金制度について、国会での付帯決議が「将来的に所得制限を行うことなく、すべての生徒に支給できるよう必要な予算の確保に努めること」としていることを示すとともに、都道府県教委からも「所得制限をはずしてみんなに、ということが権利としての教育を保障することだ」との声が届いていることをあげて文科省の考え方を質しました。また、給付制奨学金について制度の創設は歓迎しつつ、規模が小さいことを指摘しました。


 それに対し、文科省は、「付帯決議も踏まえて検討したい。結論ありきで議論しているわけではない。様々な声も聞きながら、教育予算拡充の獲得に向けて努力していかなければいけないが、どう優先順位をつけてとりくんでいくか、最も困っている人に対する支援も大事な観点」「給付型奨学金の実施にあたっていろいろ問題があることはうかがっている。変えられるところは改善していきたい。規模についても、拡充しないと考えているわけではない。制度の運用状況を確認しながら拡充につとめていきたい」としました。


 


また、全教は、少人数学級について、43都道府県・16政令市でとりくまれているが、国が小2で止めてしまったので、国で責任を持って進めてほしいという声が上がっていることを紹介。教職員定数改善の計画的実施によりすべての子どもが等しく教育の機会均等が守られる政策を打ち出すことを求めました。また、多くの自治体で「先生が足りない」実態があり、少人数学級に踏み出せない自治体や学校が数多く出ている実態を示しました。


 


 文科省は、「できる限りの定数改善をしてきている。各都道府県が小3以降独自で35人、さらに下回るような基準で対応しているが、県単で全部やっているのではなく、大半は加配を上手に利用しながら少人数指導に努めていただいている。教員定数を増やしていけるよう努力したい。計画的に対応することが、各都道府県の採用計画を作るうえでも、未充足、未配置にかかわる点ともからんで重要。加配の比率が高まってきたことについて、根雪となる部分は基礎定数化をはかろうと、困難な法改正であったがまず一歩させた。課題意識をもって検討していきたい」と回答しました。


 さらに全教は、教員の持ち時間数の上限設定について、文科省が一時間の授業につき一時間の準備や整理の時間が必要だとしていることを示し、指導要領の改訂により授業時間数が増加することに合わせて教職員定数計画を改善する必要があることを指摘しました。


 文科省は、「その課題意識をもって中教審の議論に臨んでいる。小学校の授業時数が増加する中で新学習指導要領の円滑・確実な実施のためにどういう指導体制の強化を図ることが必要か、という観点での検討を始めていただいている。教員がどこの部分を担いながら、同時にチーム学校の中で全体としてどう対応していくのか。10年前は、事務等への従事、調査回答等の肥大化の課題意識があったが、今回の調査ではそれ以上に持ちコマ数が増えた、それに伴う授業準備が増え、大きな課題としてつきつけられた。それをふまえた検討、定数の改善にとりくんでいきたい」と述べました。


 全教は、時間外勤務の解消は待ったなしの課題であり、給特法は原則として時間外勤務を命じられないということだが、現実には勤務の実態と法律には乖離があり、その乖離をどう埋めるのかが重要な課題であることを指摘。給特法の改正を要求しているが、現状を追認するような「改正」、改悪ではなく、本来的に時間外勤務を命じられないとした、その原則に立った対応を求めました。


 また、全教から小畑書記長が、どの問題にかかわっても教育予算の増額なしには、子どもと教育、教職員の問題は解消せず、そのために必要な要望を概算要求で行うことを強く求めて、交渉を締めくくりました。





子どもの権利・教育・文化 子ども全国センター 民主教育研究所 九条の会 教育子育て 九条の会 憲法改悪反対共同センター
 
3000万署名はこちら
 リーフ 署名
初めて全教WEBサイトへアクセスされた方へ
現場から教育を問う教育誌
 
PHOTO

月刊『クレスコ』2017年11月号 10月20日発売
特集 支援?介入?「家庭教育支援法案」    
教育基本法「改正」から読み解く家庭教育支援法案の問題点……二宮周平(立命館大学)
子どもを産み育てられない社会を変えていくために……杉田真衣(首都大学東京)
 
 
zenkyo.bizに掲載の記事・写真の無断転載をお断りします。Copyright(c)ZENKYO. All rights reserved.