全日本教職員組合
サイトマップアクセスサイトポリシー個人情報保護方針 お問い合わせ サイズ変更 大 中 小
トップページ とりくみ紹介  全教のとりくみ 
全教のとりくみ詳細
【集会】2008/12/11
教員免許更新制の廃止、2009年度からの実施凍結を求める12・11中央集会を開催!【基調報告】
「教員免許更新制の廃止、2009年度からの実施凍結を求める112・11中央集会」基調報告


2008年12月11日
 
はじめに―あらためて教員免許更新制の重大な問題点について 
 
 2007年6月安倍内閣は、改悪教育基本法の具体化としての教育改悪3法を強行し、教育職員免許法を改悪し、教員免許更新制を導入しました。改悪教育基本法のねらいは、教育に対する時の政府のコントロールを強め、「愛国心」をはじめとする徳目を子どもたちに押しつけ、「『戦争する国』の人づくり」をすすめることにあります。
添付ファイルなし

 教育改悪3法は、その具体化として、地教行法を改悪して、国の地方教育行政に対する指示・命令や是正要求によって地方教育委員会の自主性を蹂躙し、学校教育法を改悪して、副校長、主幹教諭、指導教諭などの「新たな職」を置き、上意下達の学校運営体制を敷こうとするものであり、そうしてすすめる「愛国心」教育などに異議を唱える教職員を10年ごとにふるいにかけて、教員免許を失効させ、教員を失職させるという、きわめてよこしまなねらいをもったものです。
 私たちは、当初からこの教員免許更新制の持つ重大な問題点を指摘し、教員免許更新制は実施しないことを強く求めてきました。時の政府のいいなりにならない教員の教壇からの排除をねらう教員免許更新制は、断じて許せない、教員免許更新制は、廃止するしかない、このことをまず確認したいと思います。

 
1.実施を前にさらにあきらかになる制度設計の根本矛盾 
 
 同時に、この間、教員免許更新制の制度設計においても、その根本矛盾が明らかになり、いっそう教育現場に不安と怒りを広げています。
 最大の問題は、教員には受講義務が課せられているにもかかわらず、更新講習の講座開設義務は、大学にも、文部科学省にも、教育委員会にもない、ということです。このことは、毎年約10万人といわれる対象教員の数に見合う講座が開設される保障は、どこにもないということを意味します。結果として開設される講座が対象教員を満たすものでないという事態が起これば、物理的に受講できないために、免許が失効させられる教員が生まれてくるということであり、こんな欠陥制度はありません。
 また、仮に対象者数に見合う講座が開設されたとしても、それは、北海道から沖縄にいたる日本全国で満たされたというに過ぎず、極端な場合、沖縄の教員が北海道で受講しなければならないという事態さえ生まれかねません。
 
 このことともかかわって、もう一つの大問題は、すべて教員の「自己責任」で行わせる制度であるということです。したがって、講座の申込みも教員と大学等との関係によってのみ決まることになり、需要と供給をコントロールするところがないということになります。たとえば、講座の申込みにあたっても、対象となる教員が、抽選漏れなどを避けるために複数の講座の受講を申し込むこともありうることです。そうなれば、すぐに講座が定員いっぱいとなり、常に講座の供給不足という事態が起こる可能性があります。これを避けるために教員は、四六時中パソコンとにらめっこしながら、どのような講座が開設されているかをチェックし、空きがあればすばやく申し込むということをやらなければならなくなりますが、ただでさえ長時間過密労働の超多忙状態におかれている現場では、そんなことはできるはずがありません。
 
 しかも、開設される講座の全体像は、2009年末までわからないのです。それは、文部科学省が、毎月講座の開設申請を受け付け、翌月に承認するというやり方をとるといっているからです。ですから、講座申込みラッシュは、1年をとおして続くことにならざるを得ません。
 こんなことが教育現場にとってよい影響を与えないことぐらい、だれが考えてもわかることではないでしょうか。教員に失職させられるかもしれないという不安を与え続け、そのうえ、受講できないかもしれないという二重の不安をおしかぶせ、さらに教員を多忙化に追い込む制度など、断じて許せません。
 「自己責任」は費用負担や服務にも及びます。文部科学省は2009年度予算概算要求で、教員免許更新制にかかわる予算を47億円計上していますが、これは、講座開設者に対する補助と説明されており、そのまま受講者の受講料の負担軽減に回されるとは限りません。しかも、概算要求段階でのことであり、政府原案に盛り込まれるかどうかは、現時点では不透明です。ですから、講座受講料も旅費も宿泊費も自己負担となります。2008年度行われた「予備講習」において、東京新聞の報道では、静岡県の教員が東京で受講せざるを得ず、その負担は10万円を超えたという事実が報道されていましたが、同様の事態がさらに広範に起こりかねません。
 
 服務についても、文部科学省は服務監督権者の判断で職務専念義務免除の対応は可能としていますが、課業中に受講しなければならない場合は年休対応としています。この理由も、教員免許は個人の資格にかかわるものだからというものであり、まさに「自己責任」です。職専免や年休の場合、受講の際に事故が起こった場合、公務災害認定されません。これも「自己責任」です。
 とりわけ現職教員については、その保持する免許は終身有効であるにもかかわらず、これを「有効期間の定めのない免許」などと無茶な解釈をしておいて無理やり導入しておきながら、あとはなんらの責任もとらず、すべて「自己責任」でやらせるなど、断じてあってはならないのではないでしょうか。
 欠陥だらけの制度設計で2009年度から無理やり実施すれば、その矛盾は教員と教育現場にしわよせされ、結局子どもの教育に対して否定的影響を広げるものとならざるを得ません。

 
2.教職員の強い怒りを結集し、教育関係者の共同を広げよう 
 
 時の政府のいいなりにならない教員の教壇からの排除と言う教員免許更新制のそもそもの大問題に加えて、こうした制度設計の根本的な欠陥が明らかになるにつれて、教員、教職員の怒りは大きく広がってきています。それは、教員免許更新制の2009年度からの実施凍結を求める署名が12万筆という水準に達したことにもあらわれています。
 教員免許更新制を学習した教員からは、「毎日かなりのストレスの中で仕事をしているのに、さらに生活の安定をゆるがすような状況に教員を追い込んで、何かよいことでもあるのでしょうか」「もう2008年も終わろうとしているのに、来年度から始まるこの制度が、こんなにいい加減だとは、あきれてものも言えない」「教師の誇りと尊厳を踏みにじるこの制度をゆるしてはならない」など、厳しい批判が寄せられています。
関東の、組合員が一人しかおらず、署名なども校長の許可を得なければならないため、これまでまったく集められなかったある職場では、教員免許更新制の2009年度からの実施の凍結を求める署名を校長に見せたところ、「自分は立場上署名はできないが、あなたが集めるのならよい」となり、何と170筆近い署名が集約されたということです。
 
 また、大学や教育委員会との懇談のとりくみも前進しています。講座開設を予定している県内の大学との懇談をすすめている組織では、大学側と意見交換する中で、大学側から「本音を言えば、やりたくない」と言明があり、教員免許更新制が大学側とも矛盾を広げている事実が明らかになりました。
 県教育委員会との懇談をとおして、仮に実施が強行された場合、県内の対象教員が受講できない事態を決して引き起こしてはならない、と追及し、県教育委員会も、そのための努力を約束した組織も生まれています。
 このように、この間のとりくみをとおして、教員免許更新制は、教職員のみならず、大学や地方教育行政も含め、だれもがやりたくない制度であることが浮き彫りにされてきています。このことは、教員免許更新制の関係者との共同をいっそう広げることができる可能性を示しており、重要な到達点であるといえます。
 教職員の誇りと尊厳にかけて、教員免許更新制は許せない、教育現場から沸きあがるこの声をさらに大きく、さらに共同を広げ、教員免許更新制の廃止、2009年度からの実施凍結を勝ちとろうではありませんか。

 
3.父母・国民世論を一気に高めよう 
 
 一方、父母・国民のみなさんはどうでしょうか。父母・国民のみなさんには、なかなかこの制度が知らされていないため、この制度によって、先生方はもっと研修や勉強をやるようになって教育がよくなるのではないか、と導入に賛成という声が大きい(朝日・ベネッセ保護者意識調査では75.1%が賛成)のです。しかし、この制度の重大な問題点を知ったある県の元県PTA連合会の役員は、「先生方はしっかり研修しておられる。先生方は子どもとの対応で力をつけられる。そんな先生方に教員免許更新制は必要ない」(全教委員長書記長会議での発言から)という声があげられています。まさに、本質を喝破した重要な発言ではないでしょうか。このことからも、教員免許更新制の廃止を求める父母・国民世論を結集することは決して不可能ではないし、大いに展望のある事業であることが明らかです。
 こうした事態を踏まえ、全教は、緊急に別紙のような父母・国民向けのチラシを作成し、来週には各組織に送付する予定です。各地で大いに活用し、各地域での教育共同組織をはじめ、広範な父母の中に持ち込み、教員免許更新制に対する反対世論を高め、とりくみをすすめましょう。
 父母のみなさんは、教員免許更新制が教員のみの問題ではなく、わが子の教育にかかわる重大問題であることを知るならば、必ずこの問題を自らの問題として、具体的な行動にたちあがり、教員免許更新制の廃止、2009年度からの実施凍結という声を広げるにちがいありません。一気にとりくみを広げましょう。

 
まとめにかえて―政治を変えて、教員免許更新制廃止への展望をきりひらこう 
 
 そもそも、この教員免許更新制は、改悪教育基本法を強行した安倍内閣が、その政治的思惑に突き動かされ、改悪教育基本法の具体化のために大あわてで導入したものであり、「靖国」派の野望のつまったものです。政治的意図によって導入された制度には、政治を変えて決着をつけようではありませんか。
 麻生内閣の支持率は、読売新聞が12月5日から7日にかけて行った世論調査では、わずか20.9%、不支持率は、66.7%にのぼっています。まさに政権末期といわなければなりません。国民いじめの悪政と一体に子どもいじめ、教職員いじめの教育政策をすすめている自公政権を倒し、解散総選挙で、憲法を生かし、国民が主人公となる政治の樹立にむけた大きな一歩を踏み出しましょう。それは同時に子どもたちが主人公となる教育を打ち立てる大きな一歩を踏み出すことを意味します。
 教職員の誇りと尊厳を踏みにじる教員免許更新制は断じて許せない、という教職員魂を大いに発揮し、本日の集会を結節点に、職場での組合所属を超えた教職員の共同を広げ、地域・草の根からの父母・国民の世論を広げに広げ、政府・文部科学省を包囲するとりくみをすすめましょう。そして、そのとりくみと政治を変えるとりくみを一体に、教員免許更新制の廃止、2009年度からの実施凍結を求めるとりくみを大いに前進させようではありませんか。


子どもの権利・教育・文化 子ども全国センター 民主教育研究所 九条の会 教育子育て 九条の会 憲法改悪反対共同センター
 
3000万署名はこちら
 リーフ 署名
WEB署名はこちら
change.org
初めて全教WEBサイトへアクセスされた方へ
現場から教育を問う教育誌
 
PHOTO

月刊『クレスコ』2019年4月号 3月20日発売
特集 教師になったあなたへ2019    
教師として生きるあなたへ……中嶋哲彦(名古屋大学)
ともに学び合う仲間に……檀原毅也(全教書記長)
 
 
zenkyo.bizに掲載の記事・写真の無断転載をお断りします。Copyright(c)ZENKYO. All rights reserved.