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全教のとりくみ
【NEWS】2008/10/16
「教育子育て九条の会」を広げようと呼びかけ 教育学者、元組合役員ら子どもと教育にかかわる13氏
子どもたちの未来のために 
 
 「教育子育て九条の会」を「全国各地の地域で組織しよう」との呼びかけを、池田香代子(翻訳家)、佐藤学(教育学者)、藤田英典(教育学者)、堀尾輝久(教育学者)、槇枝元文(元日教組委員長)、三上満(元全教委員長)ら13氏が連名で発表しました。
 10月16日、呼びかけ人である佐藤学、堀尾輝久、三上満、上原公子氏が記者会見を開き、呼びかけ人代表の佐藤学氏が「会」の趣旨について述べ、呼びかけ人各氏が子どもと教育、憲法への思いとともに、「教育子育て九条の会」への抱負を語りました。
 「教育子育て九条の会」は12月6日、東京都内で全国規模の交流集会の開催を予定しています。


写真:「教育子育て九条の会」呼びかけの趣旨を語る呼びかけ人の佐藤学代表と各氏



○ 「『教育子育て九条の会』の呼びかけ」   >>【 全文は コチラ! 】 
「教育子育て九条の会の13人の呼びかけ人  
 
○「教育子育て九条の会」の呼びかけ人 各氏の発言の大要
  >>【 佐藤学さん(教育学者)―― 憲法の精神から教育全体を見直すは コチラ! 】 
  >>【 上原公子さん(元国立市長)―― 子どものための一点でつながりをは コチラ!】 
  >>【 堀尾輝久さん(教育学者)―― 教育にとっての平和をあらためては コチラ! 】 
  >>【 三上満さん(元全教委員長)―― 組織の違い越え子どものために共同をは コチラ! 】 
  >>【 小森陽一さん(「九条の会」事務局長) ―― 大きなステップ踏み出すきっかけには コチラ! 】 
 

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 子育てと教育の現場では、教育基本法「改正」による保守化と硬直化が進行しています。子どもと若者をめぐる文化的経済的状況はいっそう厳しいものとなり、教員免許更新制などによる教師への統制も強化され、子どもの学び発達する権利、教師の創造性、学校の自律性は著しく制約されて深刻な危機に陥っています。
 しかし、こういう時代だからこそ、憲法の精神を擁護する人々から、子育てと教育の現場において民主主義と平等を実現し、人類の平和を求める憲法の精神を教育の中に生かす動きも、全国各地において広がっています。憲法をよりどころにして、子どもたちの未来と日本社会の未来のために、少しでも教育をより良いものにしようと願っている私たちが、それぞれの地域を基盤として連帯を広げてゆくことが、今ほど求められている時代はないと思います。
 そこで全国各地の地域において「教育子育て九条の会」を組織することを呼びかけます。
 「教育子育て九条の会」は、すでに全国的に組織されている「九条の会」と趣旨を同じくし、憲法の精神を子育てと教育の現場に生かすことを目的としています。具体的には、(1)平和な社会を教育によって実現すること、(2)子ども一人ひとりの学び発達する権利を保障すること、(3)保育園、幼稚園、学校の組織と運営に民主主義を実現することの3つの課題を中心に活動を推進し交流します。
 この呼びかけに賛同していただき、ぜひ、身の回りの方々と「教育子育て九条の会」を組織し、活動を始めていただくことを呼びかけたいと思います。
 
<<呼びかけ人>>
池田香代子(翻訳家)、池辺晋一郎(作曲家)、上原公子(元国立市長)、尾山宏(弁護士)、香山リカ(精神科医)、佐藤学(教育学者)、田中孝彦(教育学者)、暉峻淑子(経済学者)、藤田英典(教育学者)、堀尾輝久(教育学者)、槇枝元文(元日教組委員長)、三上満(元全教委員長)、山田洋次(映画監督)
 

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<<「教育子育て九条の会」の呼びかけ人 各氏の発言の大要>>
 
憲法の精神から教育全体を見直す ―― 佐藤学さん(教育学者)


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 ご存知のように「九条の会」は、これまで地域に、相当大きな広がりの中でネットワークをつくっています。また分野別でも40を超えるさまざまな分野の「九条の会」が組織されてきたわけです。けれども、なぜか教育の問題に関しての九条の会というものは、これまではなかった。
 地域レベルで見ますと、「九条の会」に参加されている教育関係者の方が非常にたくさんいます。また学校単位で加わっているところもある。そういう下からの要請にもとづいて、「教育問題をめぐる『九条の会』をつくってはどうか」ということが話題になり、13人の方々を呼びかけ人として「教育子育て九条の会」を発足させたわけです。
 趣旨としては――ご存知のように教育基本法が「改正」され、教育の一番大本にある理念体系が揺らいでいるわけです。具体的に言うと教育関連法案も「改正」され、学校の現場が非常に大きな変化の中にある。さらに、9条の、憲法の精神と言いますか、個人の人権を尊重し、民主主義と平等な社会をつくる、また平和な社会を築きあげるというような、教育の大本となる理念そのものが教育の場から薄らいでいる。あるいは現実の方が崩れてきている。
 そうしたことから教育を憲法の精神に則って、教育全体を見直していこう、しかもそれを足元の地域から積み上げ、それらを交流していくこと、これを「会」の趣旨としています。
 
 具体的には3点書きました。
 「(1)平和な社会を教育によって実現すること」とは当然のことですが、現在、特に教師が学校で発言しにくくなっている。社会的なこと、あるいは市民として発言することが困難な状況を迎えています。その困難はさまざまあるわけですが、むしろそれらを教師がもっと自由に社会に発言していく、あるいは市民として積極的に行動していけるように、この「会」が機能していけばいいのではないかと考えています。
 
 「(2)子ども一人ひとりの学び発達する権利を保障すること」については、直接的な教育基本法の「改正」によるものとは言えないわけですが、この15年間ほど、子どもをめぐる社会的、文化的な環境の劣悪化というのは、目を覆うものがあります。特に東京都や大阪府など都市圏においては、例えば生活保護を受ける――要保護、準用保護――ような貧困状況の中にある子どもたちの数が3、4倍急増しています。首都圏、あるいは大阪の学校をよく訪問するのですが、3割近くがなんらかの貧困、あるいはボーダー上に子どもたちがいる。いわば社会的、文化的、生活的に、子どもたちはさまざまな問題を抱えながら生きている。それらを保障しきれない状況が学校に広がっているわけです。それらの負荷は、当然のことながら保護者や教師の肩に背負わされてきている。このような惨状は、明らかに憲法の精神に反するわけです。
 私は教育もまたライフラインだと思います。あるいはセーフティネットとしての機能を当然、社会に負っているわけですが、そのような機能を従前に果たせない事態が進行している。それは子育て・幼児の段階から、あるいは小学校・中学校・高校でです。高校においては貧しいために授業料が払えない高校生がかなりの数に達している。ある調査では大阪府の4割近くの高校生が授業料の支払いに困難を抱えているような事態が生じているわけです。
 そのような子どもたちが学び、発達し、教育を受ける権利が根底から侵害されている状況に対して、やはり憲法の精神に則って、個人から出発し、一人ひとりが良識のある、また未来のある市民として成長できるまでのプロセスをきちんと保障できる、そういう教育を実現しようというのが2番目の趣旨です。
 
 「(3)保育園、幼稚園、学校の組織と運営に民主主義を実現すること」については、学校自体をより民主的にする必要がある、子どもたちの発言する権利やあるいは教師たちが発言する権利、それから子どもたちや教師たち、保護者も含めた市民としての人権を、教育においてより言い表していく必要があるということです。
 
 これら3つの点について「教育子育て九条の会」では、それぞれの地域や学校の実情に応じた会合、あるいはとりくみを持ち、それを全国的に交流していきたいと考えています。
 さしあたっての活動としては、今日の報道関係者との懇談を皮切りに、賛同人を呼びかけ、12月6日に全国の「教育子育て九条の会」の全国的な大集会を行いたい。それらを契機に息長く憲法を守る精神で交流をすすめていきたいというのが、この「会」の趣旨です。
 

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子どものための一点でつながりを ―― 上原公子さん(元国立市長)

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 ご存知のように国立市は教育に関しては痛めつけられてきました。教育現場がどんなに悲惨か、教育行政がどんなにいろんな意味で圧力が来ているか、ということを、身をもって8年間経験した者として、呼びかけ人の一人となっています。
 
 私は毎年3月、予算を組む時の施政方針に必ず憲法の何条かを使って、「今年はこういうことをやりたい」といいうことを書きました。06年の施政方針で憲法97条の基本的人権ということを切り口にしました。なぜ、それを切り口にしたかというと、97条では、「基本的人権は永久不可侵の権利として獲得したから、これは絶対に侵すことのできない権利なんだ」ということが滔々と書いてあるわけです。その基本的人権をどうやって考えるかと言った時に――市長だったわけですから、「公」という立場と「個人」という立場の考え方で――「できるだけ『公』は『個人』に介入しないことなんだ」ということを施政方針に書いたわけです。だんだん「公」が強くなって「個人」をコントロールするような世の中は恐い時代になるだろうと書きました。
 
 そうしたら、たまたまですが5月に朝日新聞が、教育基本法ができた議論の過程を「国家と個のせめぎ合い」というタイトルのすばらしい見開きの記事で掲載しました。それを見た時に、教育基本法がどういう精神でつくられたのか――個人の尊重、個人の基本的人権を大事にしていかないと、またあの国家主義によって「公」のために犠牲になることを強いられる時代がくる、そうした反省から教育基本法は個人の尊重ということを前面に出しながら、そういう人を育てるためのものにしていきたいということが書いてあったんです。その時の座長が、それをつくった中心者の一人として、「この教育基本法の基本的理念がもし変えられるようなことがあったら時代はもう終わりなんだ」ということまで書いている。ところが06年12月にその基本的なところが壊されて、教育基本法は「改正」されました。そのことからいまの国家が歩もうとしている方向が明確になったと思います。
 
 私は、市民自治ということを中心にやってきたわけです。それはいかに個人を大事にしながら、基本的人権を生かすような自治体をつくるかということですが、そのベースになるのは一人ひとりなんです。教育が大事にされないと未来がない、とずっと思ってきました。
 散々介入された側として、正に教育基本法の第10条にあった「不介入」なんだ、つまり徹底して政治的圧力を受けてはいけない、政治がコントロールしてはいけないはずでした。教育と学校への政治的な介入とコントロールの中で、誰が犠牲になっているのか――すべて子どもなんですね。
 
 何としても私は旧教育基本法の精神を取り戻したい。そこまで運動をやらなければいけないんじゃないか、と思っています。子どもを中心にものを考えられない時代に来たんだという自覚をみんなが持ちながら、この「会」が全国でもう一回、「子どものため」という一点でみんながつながるとりくみになれば、大きな力になるんだろうと思っています。
 

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教育にとっての平和をあらためて ―― 堀尾輝久さん(教育学者)

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 「九条の会」への教育関係者のとりくみは、「やや遅きに失するんではないか」という思いを持たれる方もおられると思います。私も早くから、こういうものができれば良いという思いを持っていたのですが、しかし、教育基本法「改正」問題が目の前にあり、それに対してとりくんできたという事情があります。
 その教育基本法「改正」を批判するとりくみというのは、実は憲法を守るということと正に重なっているわけです。教育基本法を「改正」した人たちは、憲法「改正」の第1歩として、教育基本法を「改正」するという、なぜならば憲法の精神を教育の中で生かすというのが、教育基本法の精神ですから、そこのところを断ち切るということで憲法「改正」に向けてすすめる。これが教育基本法「改正」論者の大きなストラテジーだったと私は思っています。
 それだけに私たちは教育基本法「改正」問題に非常に厳しくとりくんできた。そのことは実質的には「九条の会」と重なっていたと思います。他方で地域的には――私も調布市民ですけれども「九条の会」ができ、その中でとりくんできたわけです。
 
 教育にとって改めて平和とは何かを考えることが大事だと思っています。ここで3点をあげていますが、別の視点で言いますと、子どもが生まれ、生きる、そして人間的に成長・発達するということを軸に考えた場合に、まず平和でなければいずれもできない。平和的、文化的な環境の中で子どもは生まれ、育つということが、正に子どもの権利の中核であろうと考えられます。そうすると平和の問題は、直接は9条問題ですが、実は憲法前文、そして9条、上原さんも言われた97条、それから13条からはじまる基本的人権の規定、これはいずれも幸福追求の権利から思想信条の自由、そして学ぶ権利、教育への権利、働く権利、それら全体が文化的な生活と結びついている。こういうように憲法を捉え直す必要があるわけです。憲法と教育というと26条とすぐに発想するという発想自体を私たちは変えなければいけない、と私は強くこれまでも思っていたし、そういう研究もしてきたわけです。
 
 軸になるのは、子どもの生きること、成長すること、そのためには平和がいかに大事なのか。その平和は、先ほど平和的、文化的な環境と言いましたけれども、別な言い方をすれば「平和の文化の中で子どもは育つんだ」と言うこともできます。環境としての平和と同時に、学ぶ中身が「平和の文化」につながる、そして子どもたちがあらためて「平和の文化」の主体になっていくと言いますか、そういう仕方で平和問題というのは、実は子どもの生き方、そして未来と深く結びついているわけです。
 いま「平和の文化」と言いましたけれど、その言葉もまだ十分に共有されていないように思います。しかし、私たちは例えば平和の問題を、戦争と平和というコンテキストで考えると国際政治学者や人類学者等々が発言するということになるわけだけれども、「平和の文化」と捉え直すと、これは教育関係者こそが中心になって考えなければいけない問題だ、と見えてくると思います。
 その場合に、いわゆる学校教師というだけでなく、子育て――子どもが生まれ、育っていくその全体のコンセンサスに関わる人々が、子どもの未来を保障していく、そういう責任を自覚しながら、「平和の文化」にとりくんでいくという、そういう関係になっていくと思います。ですから、今回の呼びかけも学校中心ではない、そういう意味を込めて「教育子育て九条の会」としたわけです。これは幼児教育、保育関係者も視野に入れて考えようじゃないかという趣旨でこういう呼びかけにしたということがあるわけです。
 
 ですから、上原さんも「中心は子どもだ」と言われました。子どもを軸にもういっぺん平和の問題を考え直す、憲法をそういう視点で考え直した場合に、実は憲法条項がゆたかに子どもの権利を保障する条文になっているわけです。そういう思いを私は持っているわけです。これは憲法解釈論として、そうとう憲法学者とも議論を深めていく必要がある課題でもあるわけです。そんなことを考えて呼びかけ人に参加しました。
 

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組織の違い越え子どものために共同を ―― 三上満さん(元全教委員長)

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 呼びかけ人の肩書きは、元全教委員長とさせていただきました。私は長いこと現場の教師で、それこそ揺れ動く中学生たちの中でとりくんできたものの一人です。「教え子を再び戦場に送るな」――戦争のにおいがする、そういう危機感の中で私は教職員組合運動に飛び込みました。そして、ご承知のように80年代後半ですが、大きく労働戦線が変動する中で教職員組合運動のたたかう路線をめぐって、その路線の違いから私たちは89年に全教をつくり、日高教と統一して91年にいまの全教ができたわけです。私は、初代の委員長をやりました。私の思いとしては、「会」の呼びかけに私と並んで槇枝元文日教組元委員長が名前を連ねているということに万感の思いがするわけです。
 
 平和という点、あるいは子どもの未来、戦争を防ぐ、そして憲法9条を守るという点では、やはり血は水よりも濃いというか、子どものことを思う教師としてのそういう立場から名を連ねてくれたんだなと思っています。
 偶然にも50音順ですと槇枝、三上と並んでいます。多くの方々がこの2人の名前を見ていただければ、この「会」の意味が分かっていただけるかと思っています。
 私は、槇枝さんを個人的にもよく知っており、かつてはある雑誌の教育基本法を守ろうという対談でご一緒したこともあります。両組織を代表する人物と言うと、私自身語弊がありますけれども、2人が名を連ねているということで、いま学校でがんばっている多くの教職員が、9条の問題やあるいは教育条件改善、30人学級、職場の民主主義の問題、そして子どもたちのためのゆたかな教育、という点など、組織の違いを越える共同のとりくみが、これを機会に広まってくれるといいなとの思いから名を連ねさせてもらいました。
 
 それからもうひとつ。最近、非常にうれしかったことがあります。ノーベル平和賞にフィンランドのマルッティ・アハティサーリ前大統領が受賞されたということです。
 私は講演などで9条のことを語る時に、日本が憲法9条を制定する時に一体何を議論したのか――ただ日本が平和愛好の国になる、戦争をしない国になる、そういう水準の議論ではなかった。というのは当時の議事録を見ても、はっきりするわけです。日本は、芦田均さんの言葉によれば、「この地球表面から一切の戦争を駆逐せんとする、その努力を日本が先頭に立ってするんだ」というのが初心なわけです。そういう立場に立ち、憲法9条を私たちが守りきった時の憲法9条は、いまの状態を固定するという9条ではないだろうと思います。その初心を1歩1歩歩んでいく新しい憲法9条になっていくんだというロマンを感じています。
 
 だからこそ、9人の方の「九条の会」の呼びかけ人の文章の中にも非常に思いのこもった――「9条を含む日本国憲法をあらためて選び直し」という文章があります。私たちは、守るだけでなく、その意味も歴史的に問い直して、私たちの憲法を私たちの運動の中で明日に向かってこれを構築していく。
 そういう意味では、アハティサーリ前大統領が、フィンランドからは遠い国でありながらアチェの紛争だとか、さまざまなところへ紛争解決のための努力をした、そこには憲法9条の姿がフィンランドという国に現れているのだと思いました。
 
 実は、昨年フィンランドに行ってきたのですが、フィンランド人が良く知っている日本人がいます。それは新渡戸稲造なんです。スェーデンとフィンランドの間にフォランド島という小さな島があるんですが、この領有権をめぐってあわや戦争という事態になったことがあります。その時に国際連盟事務次長であった新渡戸が間に立って見事な調停をした。領有権はフィンランドに要するが、一切軍事基地を置かない。あるいは言語は、スェーデン語を併用するといった調停案だったと聞きました。いま日本が果たすべき役割というのは、例えば北朝鮮とアメリカの問題にしても、あるいはアジアのさまざまな地域の問題にしても、正に憲法9条の生まれたときの初心を貫いていく、これがこれからの私たちの運動のロマンだと思っています。
 
 それから最近若い人に私の著書が読まれていて、高校生や大学生の間で人気があるんです。教師を志望する人が非常に多いですね。私は非常にすばらしいと思っています。昨日も日本体育大学に行って――「体育大学」というと体育会系と思い起こすけれども、民主的な体育教師をめざす、あるいは民主的な養護教諭をめざす非常にゆたかな誠実な学生がいることを知って、夜遅くまで話してきたんです。
 いま若い人たちが現場に来れば非常に疲れ果てて、1年目で辞めていく、あるいは心の病にかかる、場合によっては死に追い込まれる。こういった教育現場をどうしても明るいものに変えていく――私が教師になった頃の教育現場はとても明るくて、駆け出しの教師だった私をみんなで大事に育ててくれたと思います。そんな思い出を込めて、ああいう時代のような、貧しかったけれども民主主義があった、そういう学校をなんとしても取り戻して、若い方々の情熱に報いたい、そんな気持ちがしきりにしています。
 
 そういうことから言って、「教育子育て九条の会」の活動が今日を皮切りに大きく広がっていくことを心から願って、私も微力を尽くしたいと思っています。
 

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大きなステップ踏み出すきっかけに ―― 小森陽一さん(「九条の会」事務局長)

 「九条の会」は、今年7000を突破して全国で日常的な活動をやってきたわけですが、どういうことを問題にして日常活動としてやっていくのかについて、いろいろ地域では悩んでいます。地域の戦争体験者の話を聞く、あるいは地域における平和学習を持続していく――どうしても戦争と平和の問題が、いままでの「九条の会」の日常活動の中心になってきました。
 しかし、実は教育の問題が9条の問題と不可欠であり――しかも教育の問題は基本的人権をめぐる12章、13章、そして思想・良心の自由やあるいは集会・結社の自由、そうした基本的人権を規定した第3章の前半のすべての問題とかかわっていると堀尾さんはおっしゃいました。そういう形で「9条を持つ日本国憲法をあらためて選び直す」という「九条の会」の運動の基本方向にとって「教育子育て九条の会」が分野別「九条の会」として結成されたことは、たいへん大きな新しいステップを「九条の会」が踏み出していける、そのきっかけになると「九条の会」事務局長の私としても心強く思っている次第です。

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小森「九条の会」事務局長(左奥)の司会で進行した記者会見


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《関連項目》

■全教のとりくみ
【とりくみ】2013/04/09 ◆「全教・教組共闘憲法チラシ」を作成!憲法署名と合わせて、憲法を守りいかすとりくみをすすめましょう
【大会】2012/02/18~19 父母・国民とともに憲法に立脚した民主教育を 全教第29回定期大会を開催
【呼びかけ】2011/11/19 大阪「教育基本条例案」など2条例案を許さない教職員組合共同アピール運動を呼びかけ
【NEWS】2011/11/01 憲法・平和・核兵器廃絶メールニュース
【NEWS】2011/10/26 憲法・平和・核兵器廃絶メールニュース

■声明・見解・談話
【談話】2012/12/18 2012年12月総選挙の結果を受けて 憲法改悪を許さず、憲法を守り、生かすとりくみに全力をあげよう
【談話】2011/05/19 参議院憲法審査会規程制定強行に抗議し、憲法をいかした震災復興を求めます
【談話】2010/06/09 菅新内閣の発足にあたって書記長談話を発表
【意見】2010/06/08 北海道教育委員会の「学校教育における法令等違反に係る情報提供制度」について全教常任弁護団が意見書を発表
【談話】2010/05/31 辺野古などへの「移設案」の撤回、普天間基地の無条件撤去を要求する書記長談話を発表

■署名・ビラ・資料
【ビラ】2013/04/09 「全教・教組共闘憲法チラシ」を作成!憲法署名と合わせて、憲法を守りいかすとりくみをすすめましょう
【資料】2010/02/26 ≪≪≪ 新聞全教 森英樹さんの『憲法を学ぶ――改憲は遠のいたか?』 ≫≫≫
【資料】2010/02/26 ≪≪≪ 新聞全教 小森陽一さんの『憲法講座』 ≫≫≫

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