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行動綱領

 私たちは、1991年3月6日、全国百万教職員と広範な労働者、父母、国民の期待をになって全日本教職員組合結成を決定した。私たちは、ここに行動綱領を制定し、当面するたたかいの基本方向を明らかにする。

一 教職員組合運動の意義と展望

 耐え難い多くの犠牲をはらって戦争は終わり、絶対主義的天皇制支配下の教育は解体された。新しい憲法、教育基本法をうけて、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期する民主教育が発足した。戦後の困難な時期にもかかわらず、自由な雰囲気のなかで、国民の権利としての教育は、単線型学校体系を基本とし、男女平等、教育の機会均等をかかげて前進した。
 教育基本法の前文はのべている。「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである」と。
 しかし、占領政策が大きく転換し、日本をアメリカに従属した同盟者とする政策のもとで、日本の財界や政権政党は、教育を自らの利益に奉仕させる道具として利用しようとしつづけた。
 貧困な教育条件は改善されないまま、資本主義的競争原理が教育のなかにもちこまれ、学校は、国や財界に役立つ「能力」によって、子ども・青年を順序づける場とされ、国家主義・反動的道徳教育の強化とあいまって、学校教育は、子ども・父母の願いから遠いものにされようとしている。増えつづける「おちこぼれ」、登校拒否・不登校、中途退学の増加などに示される教育のゆがみは、基本的には、そうした文教政策がもたらしたものである。教職員の自主性は大きく損なわれている。政権政党は海外派兵さえ企てている。教師は、戦前「背広を着た軍人」といわれるほど軍国主義教育推進の役目を担わされたが、再び同じ道を歩むことが強要されようとしている。
 私たちは、「戦後政治の総決算」をめざす反動攻勢のもとで、労働者、国民の要求実現と民主主義擁護のたたかいをくりひろげながら、政策の基本点で反動勢力の側にたつ「連合」路線にくみせず、たたかうナショナルセンター=全労連を結成し、運動の歴史的高揚をめざしている。
 軍拡臨調・臨教審路線をうちやぶるうえで、全労連に結集する教職員の共同と戦線の拡大が切実にもとめられている。私たちは、こうした情勢のもと、教職員の要求実現と、日本の未来を築く子どもを主権者として育てる民主教育確立のため、教職員組合組織の統一を実現し、広範な労働者・父母・国民とともに、生活向上、平和と自由・民主主義の擁護、社会進歩をめざして行動する。そして、思想・信条のちがいをこえ、要求・課題の一致にもとづいて、すべての教職員の共同、連帯、団結を追求しつつ、教職員組合運動の歴史的高揚にむけて力強く前進する。


二 教職員組合運動の積極的伝統と教訓

 戦前、極端な国家主義のもとで、過酷な弾圧をうけながらも、自覚的な教職員組合運動や民主的な教育運動がつづけられていた。それは、戦後の運動にもひきつがれている。
 朝鮮戦争がはじまり、平和を求める運動に強い圧迫が加えられたとき、私たちは「教え子を再び戦場に送るな」の不朽のスローガンを掲げ、軍国主義教育復活ときびしく対決した。また、勤務評定反対の一千をこえる共闘組織をつくり、刑事弾圧・行政弾圧などの犠牲をはらいながらも、多くの地方でその企図をうちくだき、1960年の歴史的な安保反対闘争の高揚に大きく寄与した。
 戦後、私たちは、教育二法反対、学力テスト・能研テスト反対、自主的教研運動の推進、高校希望者全入運動、学級規模縮小、私学助成拡充、教科書裁判支援、特定団体の不当な教育介入阻止などの教育闘争、人勧の凍結・抑制打破、育児休業制度実現、宿日直廃止など生活と権利をまもるとりくみ、原水爆禁止運動をはじめとする平和・国民運動、さらには、特定政党支持おしつけ反対などのさまざまな課題でたたかってきた。これら教職員組合運動の歴史をふりかえるとき、困難な条件のもとで、組織分裂など後退を余儀なくされることもあったが、いつの場合もそれをのりこえる新しい勢力が成長し、たゆまぬ前進をとげてきたことに確信をもつことができる。
 それを支えてきた力は、なにより生活と権利・教育をまもる教職員の切実な要求であり、戦争や軍国主義復活をゆるすなという平和・民主主義へのつよい願いであった。また、自らを労働者階級の一員であるとともに、教育の専門家として国民の負託にこたえ、私たちの要求と国民の教育要求とを統一的に把握する民主的な立場を堅持し、父母・国民との連帯・共同につとめたことにある。さらに、いくつかの階層、学校種別、多くの職種からなる教職員組合の団結のために、各分野の要求を全体がきめ細かく配慮するとともに、一人ひとりの要求を全体の要求や運動に位置づけて前進をはかってきた。私たちは、今後ともこうした運動の伝統と教訓を生かして行動する。


三 全日本教職員組合の基本的立場

 私たちは、全国百万教職員の要求実現のため、その中核となってたたかう。
 私たちは、「資本・権力からの独立、政党からの独立、一致する要求にもとづく行動の統一」という労働組合運動の基本的原則を堅持する。それは教職員組合の団結の不可欠の前提であり、土台である。
 私たちは、教職員の生活と権利の向上のための活動を強化する。その際、教職員の生活と権利は、よりよい教育をすすめる保障であるという見地を明確にし、子どもを愛し、教育に期待する広範な人々と連帯をふかめ、反動勢力の教育破壊の攻撃、教職員と父母・国民との分断攻撃を打破する。
 教育は、国民の大事業である。私たちは、民主教育を確立・発展させるため、積極的に父母・国民と連携し、科学的で道理ある教育政策の確立と地域の生活・文化環境、教育条件の改善・整備につとめる。
 教育は、集団的とりくみであるとともに、一人ひとりの教職員の全人格的な力量の発揮を必要とする仕事である。私たちは、教職員の自主性を重んじ、組合員を主人公とした教職員組合運動にとりくむ。当然のことながら、組合員の思想・信条・政党支持・政治活動の自由は保障されなければならない。
 私たちは、一致する要求や課題にもとづく行動の統一を基本に、ひろく民主団体や政党と協力・共同し、くらしと権利、福祉と教育、平和と民主主義の前進のため奮闘する。
 教職員組合は、教職員であればだれでも加入できる組織であると同時に、要求実現のために団結して、要求を抑圧するものとたたかう組織である。これらを両側面が統一して発展することを保障するために、組合民主主義を徹底し、構成組織の自主性を尊重する。団結をより強固なものにするため、全国的なとりくみなど、必要な事項について日高教や全国私教連など全国的な組織と十分に協議する。
 私たちは、教職員の学習・教育研究、文化・スポーツ、福利・厚生活動をすすめる。また、自主的で民主的な共済制度を確立・発展させる。また、不当な弾圧によって組合員がうける損失に対する救援制度を確立する。
 平和、くらし、労働条件、人権、民主主義の全般にわたる諸課題を実現するうえで、国際連帯活動はいっそう重要性を増している。私たちは、自主的な立場をあくまで堅持しつつ、国際的な民主勢力や団体との交流と連帯をすすめる。
 こうした活動を前進させるためにも、労働組合運動の原点に立って全労連、公務労組の運動の一翼をになって積極的に活動する。


四 全日本教職員組合の基本目標

 私たちは、つぎの基本目標をめざしてたたかう。

  1. 賃金の大幅引き上げ、全国一律最賃制の確立、福利・厚生の充実をはかる。
  2. 労働基本権の確立、男女平等、労働時間の短縮、週休二日制の実現をはじめ、民主的な諸権利の拡充など教職員の切実な要求の実現をめざす。
  3. 教育と教職員にたいする管理・統制強化、不当な教育介入に反対し、教育の自主性、教育研究と学問・研究の自由を擁護し、教育上の自主的権限を確立する。
  4. 子ども・青年の発達をゆがめる教育反動攻撃と正面から対決し、すべての子どもが、基礎的な学力・体力、豊かな情操、市民道徳、主権者として生きる力を身につける民主教育の創造・発展をめざす。
  5. 一人ひとりの子どもを大切にする教育を実現するため、教職員の合意と父母、国民との連帯にもとづき、民主的学校づくりをすすめ、教育・研究条件の整備充実、教育内容と教育制度の改善、教育行財政の民主化をめざす。
  6. 要求と課題にもとづく全国の教職員や教職員組合との共同を発展させ、未組織教職員の組織加入、教職員組合運動の統一をすすめる。
  7. さまざまな職種の多様な要求の実現をめざすとともに、専門部活動の充実、発展をはかる。
  8. 社会保障の拡充、国民本位の税制・財政の確立、農林漁業の再建、地方自治の確立など国民生活の向上をめざす。
  9. 豊かな文化の創造、国民に根ざしたスポーツの発展、自然や環境の保全につとめる。
  10. 憲法改悪、天皇元首化、議会制民主主義の空洞化などを許さず、自由と民主主義の擁護・発展をめざす。
  11. 核戦争阻止・核兵器廃絶、非核三原則の法制化、日米安保条約廃棄、米軍基地徹去、海外派兵・徴兵制阻止、軍事費削減の実現をめざす。
  12. 国民生活向上、平和と民主主義擁護の革新統一の実現をめざす。
  13. 自主的な立場を堅持しつつ、国際連帯を強化し、すべての軍事同盟の解消、民族の独立と民族自決権擁護、アパルトヘイトなど、いっさいの人種差別の撤廃をめざす。

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